パーキンソン新薬、成分同じでも薬価100倍超

  珍しく、医療系のニュースを取り上げてみたりして。

難病のパーキンソン病の新薬として、大日本住友製薬(大阪市)が今年3月に発売した「トレリーフ」が、同社が以前から同一成分で販売している抗てんかん薬「エクセグラン」の100倍以上の価格で販売されている。

 既存の薬が、別の病気への効能が認められ、新しい商品名で認可される例はあるが、医療関係者からは「臨床試験に費用がかかるとはいえ、100倍もの価格差はおかしい」との声が出ている。

 トレリーフは、脳内神経伝達物質の働きを強める作用がある「ゾニサミド」を有効成分とし、薬価は1錠(25ミリ・グラム)1084・9円。成分が同じエクセグラン1錠(100ミリ・グラム)38・5円と比べ、同じ量で比べた価格差は112・7倍だ。

 薬は病気ごとに認可され、薬価は製薬会社の申請に基づき厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」が算定する。厚労省医政局は「用量、用法が大き く異なるため、トレリーフは他の抗てんかん薬ではなく、類似のパーキンソン病治療薬と比較して算定する方が適切と判断された」とする。

[From パーキンソン新薬、成分同じでも薬価100倍超 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)]

 つまり、「とっても安い抗てんかん薬を4分の1にしてパーキンソンの患者に投与したら効果があったので、高価な他のパーキンソン病治療薬と同じ値段にして売る事にしました」というわけ。なんだそれ。

 喩えると、「お菓子のポッキーをお酒のつまみにしてみたら好評だったので、他のおつまみと同じ値段にしてみました。ポッキー10本で4200円頂戴しま〜す」・・・それ、なんてボッタk(ry

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医師はワクチンの実験台かっ!

asahi.com:新型インフルワクチン、医師ら6千人に事前接種へ - 暮らし:

 新型インフルエンザの発生に備えて厚生労働省は年内にも、医師や検疫官ら6千人にプレパンデミック(大流行前)ワクチンの接種を始める方針を決めた。舛添厚労相が15日、閣議後の会見で明らかにした。効き目や副作用など安全性を確認するのが目的。このワクチン接種を行うのは世界初の試みになる。

 このニュースのタイトルを見て、「へー、医師は優先的に新型インフルエンザワクチンの摂取が受けられるんだ。優遇されてるなぁ」と思った方、ダウト。壮大な勘違いです。上に引用した記事の後半を読んで下さい。「効き目や副作用など安全性を確認するのが目的」ってちゃんと書いてあります。元の記事の後半部分を引用すると、もっと具体的に

 6千人は感染者と接触する可能性の高い感染症指定病院の医師や検疫官、税関職員ら。その結果、安全性が確認できれば、その他の医療従事者や警察官、国会議員など計1千万人への事前接種について検討する。

 逆に言えば、ワクチン自体に危険性があったら、警察官や国会議員などに摂取するのは止める、ってことですわ。国会議員って、この方針を決めてる人達ですよね。つまり、自分たちは得体のしれないワクチンを打つのがイヤだから、まず医者に摂取して人体実験せよ、と。なんという手前勝手な話でしょうか。こんな条件で、よろこんで接種される医者なんているんでしょうかねぇ? (この件以外の医者の扱いも含めて考えても、)なんと医者は軽く扱われている事か。

 治験であれば、通常は被験者(または治験の担当医)にそれなりの報酬が支払われるものです。しかし今回の場合、それすら無いんじゃないでしょうか。それこそ、「医師には優先的に接種してやるんだから、ありがたく無料で接種されなさい」って言われそうです。新型インフルエンザワクチンのメーカーとしては、無料で被験者を集められて、大儲けですね。

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医療は経済優先では計れない

asahi.com:備蓄医薬品33種類、32種類は期限切れ 柏崎市 - 社会:

新潟県中越沖地震で被災した柏崎市で、市が災害用に備蓄していた薬や医療器具などの医療品の大部分が、使用期限切れで使えない状態になっていることが分かった。市は医療品を購入した02年以降、期限の確認を怠っていた。

 期限の確認を怠るのはミスだと思いますが。今日、言いたいのはそこではなくて。
 備蓄していた医療品の使用期限が切れる前に、期限が迫っている事に気付いていたら、何か有効に使えていたんだろうか?って事ですね。おそらく、備蓄で購入した物は他には転用できずに、そのまま期限が来たら破棄する運命だったのでしょうが。経済的な効率を考えれば、市が運営する病院とかで、順繰りに使用して新しい医療品に置き換えて行けば無駄は無い。・・・と言いたいところなんですが。
 「災害用に備蓄」というのが曲者で。日常診療ではめったに使わない物も多数含まれている可能性があります。実際、普通の医院・病院でも、めったに使わない救急医薬品ってあって、期限が来たら破棄するしかないわけです。じゃあ置かないでおくか?となると、万一急患が来た時にすぐに対応できないのも困るので、置くしかない。急患が来てから薬屋に注文を出していたのでは、手遅れになりますから。
 つまり、予測不能な事態に備えるためには、一定の無駄は避けられないのです。

 市の防災課の場合、それこそ本当にめったに災害が起こらなければ、存在すら忘れてしまうのかもしれませんが。すべて破棄して再購入するにも、税金から予算を付けるだけで、採算性までは決して考えないでしょう。
 医療機関の場合は、今は医療費抑制という厳しい効率化を求められています。採算性も考えなければなりません。ですが、安定した患者さんばかりとは限らず、常に不測の事態や急患への緊張があります。使わなければ無駄になってしまう物を準備しておかなければなりません。つまり、不測の事態に備えながら無駄を出すなという、全く矛盾した命題を突きつけられているのです。
 少し昔、薬価差益があった頃は、まだ良かった。購入した医薬品の、例えば10本パックの半分でも使えば元は取れた。つまり、残り半分は無駄になっても損はしませんでした。ですが、今は違います。薬価差益はありませんから、10本パックの10本全部使い切ってトントンです。1本でも余ったら、医療機関の持ち出しです。スーパーのように特価処分にする事もできません。めったに使わない医薬品に至っては、丸損になることも珍しくありません。結局、医療費抑制、効率化と言いながら、医療機関に損を強いているだけなのです。

 スケジュール通りに物事が進むなら、カンバン方式が無駄が無いのは当たり前です。ですが、不測の事態に弱いのは知られていて、奇しくも新潟県中越沖地震でトヨタの工場がストップしたのがその証拠。ましてや、常に何が起こるか分からない医療現場では、経済優先の効率化は相容れないと考えるべきです。「無駄」なのではありません。「トレランス」なのです。
 全国津々浦々の医療機関に、それぞれ(救急)医薬品を備蓄する(余裕を持つ)在庫管理の費用として、薬価差益が評価されるのを希望します。

 当院は院内で薬を確保・管理しているので、切実に感じます。院外処方にすれば在庫管理の煩わしさから開放されるのですが。例えば災害発生時などに、院内処方なら、とりあえず手元にある分については確実に患者さんにお分けできる。院内処方には、そういう安心もあります。
 国の政策では院外処方に利益誘導されており*、今では半数以上の医療機関が院外処方になっています。(*医療機関では処方調剤料よりも処方箋料の方が高く、調剤薬局ではたんまりと割高の調剤料と指導料が加算されています。)
 患者さんの利便性はもとより、医療費抑制と、災害時の備蓄という意味も含め、院内処方を再評価してもらいたいものです。

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薬で痩せるのは難しい

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <メタボリック症候群>漢方薬大人気 イラストが効果的? :

便秘薬の成分を使いながら、メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)に効果があることを前面に打ち出した漢方薬が売れている。パッケージに男性の膨れたおなかのイラストをあしらうなど工夫を凝らし、同症候群に悩む中高年を引きつけた。

 リンク先を読んで頂ければ書いてありますが、その漢方薬とは防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)です。保険診療でも出す事ができて、「肥満症」に適応があります。便秘やアトピーにも使われます。処方された人達が皆みるみる痩せていく・・・というくらい痩せる効果があれば肥満の人は大喜びなんでしょうが。実際には飲み続けても痩せません。残念ながら。

 余談ですが。「肥満症」に適応がある他の薬としては「サノレックス」という物がありますが、BMI 35以上、つまり身長170cmなら体重100kg以上!、身長160cmなら体重90kg以上!という、かなり高度の肥満でないと使えません。しかも、添付文章には警告や禁忌の注意書きがずらずらと並び、異様な雰囲気を持ってる薬です。当院では処方できませんので悪しからず。

 さて。痩せる方の典型的なパターンは2つ。

  1. 一念発起して、厳格な食事制限と運動を始めた
  2. 酷い下痢か何かの病気で食べられず、入院した

 2番目の方はお奨めして出来る事ではないので。全く以て平凡な答えではありますが、結局『食事制限と運動』が一番有効ってことです。

 ダイエットを謳い文句にした食品や運動機器が、現れては消えています。それはつまり、簡単に痩せられる決定版は無かったという事です。あの手の物を売ってる人達は「新製品→宣伝→売る→効果がない→売れなくなる→新製品→・・・」という循環を繰り返して商売をしてる、いわゆる『ダイエット商法』です。本当に効果があって痩せられては困るのです。痩せるはずがありません。
 今回の防風通聖散も、結局の所はこれと同じなのです。劇的に痩せるわけではない、だけど(一応)肥満に効果はあるはずという事で、パッケージを工夫した。化けの皮が剥がれる前に、売れるだけ売っておこう・・・それが、(リンク先に書かれている)「メタボブームに乗り遅れまいと必死だ。」の真意です。
 製薬会社って、営利企業ですからね。宣伝に踊らされないように注意しましょう。

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メタボリックシンドロームに新指標?

asahi.com:メタボのウエスト値 国際組織が新指標 日本側は反発 - 暮らし:

メタボリック症候群の診断基準作りに取り組む国際組織が、「男性85センチ、女性90センチ以上」とする日本のウエスト基準値と異なる「男性90センチ、女性80センチ以上」という独自の日本人向け基準を決めた。
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 「メタボリックシンドローム」は、2005年頃に突然どこからともなく提唱され、製薬メーカーやマスコミのプロパガンダで一気に一般的に知られるようになりました。ただ、当初から疑問の多い基準で、「新しい『患者』を作る為の基準だ」という声もあります。特に首を傾げるのが、今回の話題になってるウエスト値です。

 最初の(日本で作った)基準では「男性85センチ、女性90センチ以上」となっていましたが。
 私はほぼ標準体重で、太っているというよりも(身長が170cmあるので)むしろ痩せぎみに見られるわけですが。それでもウエストは85センチあったりします。こんな私でも当て嵌まってしまうなら、世の中の90%以上の男性がメタボになってしまいます。
 一方、女性のウエスト90センチ、つまり私よりも太いウエストっていうと、かなりの肥満です。そこまで大丈夫にしたら(男性とは逆に)、当て嵌まる女性はかなり少数でしょう。
 元々、体格(身長)を無視して決めた『目安』なので、判定する第一の基準でこれだけ男女の対象者数が解離している日本の基準は、やはり不適切だったと言わざるを得ません。今回、国際組織が提唱してる新しい基準の「男性90センチ、女性80センチ以上」なら、肥満気味の男女を均等に振り分けられそうな印象です。

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病腎移植に関する2つの記事

 2つの記事を紹介し、自分の意見を述べたいと思います。

病腎移植「現時点で妥当性ない」 4学会が非難声明 |健康|生活・健康|Sankei WEB:

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病腎移植について、日本移植学会など4学会は31日、「実験的な医療が閉鎖的な環境で行われていたことは、厳しく非難されるべきだ」とする声明を出した。また、病腎移植の医学的可能性については、「現時点では妥当性がない」とする統一見解を出した。
 共同声明に参加したのは、日本移植学会、日本透析医学会、日本泌尿器科学会、日本臨床腎移植学会の4学会。日本腎臓学会は理事会の承認が得られ次第、声明に加わる予定。日本病理学会は声明に参加しなかった。

 まず疑問なのは、なぜ『共同声明』なのか? それぞれの学会毎に違った見解があっても良いんじゃないか? ということ。すでにこの時点で、学術的よりも、政治的な匂いがぷんぷんします。ドナーの確保に苦労する状況からすれば、日本移植学会や日本臨床腎移植学会は積極的に道を模索しても良さそうなもの。日本透析医学会は、まさか透析患者が減ると困るとか言いませんよね? 日本腎臓学会に至っては後から「声明に加わる」って・・・足並みを揃えられないなら、なぜ単独で声明を出さない? 群れなければ意見を言えないのか? 寄らば大樹の陰というか、事なかれ主義というか、臆病な理事会承認を決議する様は哀れとさえ思えます。

 何かの根拠に基づいて「原則禁止」を貫くなら、それはそれで納得ができます。だとしたら、「現時点では」なんて妥協すべきではなかった。「現時点では」という但し書きを付けたのなら、「じゃあ何時なら?」「どのような方法なら?」妥当といえるのか、発表すべきではないのか。指針をまとめるには時間が足りなかったのなら、せめて指針作りへの取り組みとか始めるべきではないのか。そういう取り組みをせずに「現時点では」とは、一時しのぎの言い逃れに等しい。

 声明では批難に重点が置かれているようですが。批難だけならテレビの芸能人でも出来ます。学会の方々も同じ医者なら、病気腎移植以外に自分達ならどんな方法で患者に貢献できるのか?も考えるべき。むしろ、これら学会の方々の治療では不十分だったからこそ病気腎移植という方法が生まれた訳で、自ら反省すべき点が多々あると恥じるべき。

 さて。日本病理学会が共同声明に参加しなかった背景?か、どうかは分かりませんが。次の記事を紹介します。

病腎移植の芽「残したい…」 病理医が「良心の手紙」|話題|社会|Sankei WEB:

 堤教授は、宇和島徳洲会病院の調査委員会が病腎移植症例の検証のため関係各学会などに派遣を受けた専門委員会(6人)に参加。昨年12月からカルテ閲覧や聞き取りなどの調査を進めてきた。
   (中略)
 「万波医師の患者に向かう姿勢に深い共感を持っております。『すごい人がいる』が私の実感です。彼は患者に寄り添っています。よほどの自信と信頼がなければできないことです」
   (中略)
 堤教授は専門委の討議の場でも、こうした考えを力説した。だが、報告書には盛り込まれず、翌日の新聞では「全員一致で全症例が否定された」とゆがめて報じられた。
 「びっくりしました。一体どうなっているのでしょう。私の認識と随分違うからです。学会とは融通のきかないものですね。それに輪をかけてマスコミはひどい」
 関係学会による病腎移植「原則禁止」の統一見解に向けた根回しが進む中で、学会の会合が開かれるたび、「万波医師がB型肝炎感染者の腎臓を移植した」などと、事実と異なる情報が流布されたことに不快感を示している。
   (中略)
「初めから結論ありきという雰囲気の検証作業だった」と振り返る。

 事実をゆがめて報告書を作成する事/情報を流布する事に、堤教授以外の5人は良心の呵責を感じなかったんでしょうか? もはや医師である以前に、人として失格だと思います。こんな人達がやってる「学会」に、存在意味なんてあるんでしょうか?(余談ですが。捏造を繰り返すマスコミにも同じ事が言えます)

専門委は万波医師に、質問に答える以外は発言を許さず、「教科書にない」「記録がない」などの理由で主張を退けた。

 もうね、これを読んだら呆れました。
 初めての事をするんだから、記録が無いのは当たり前。それは主張を退ける理由にならない。
 ビルロードが胃切除をする時に誰か教えてくれたのか? 華岡清州が全身麻酔の手術をする時に教科書を見ていたのか? エドワード・ジェンナーが種痘を開発した時に(以下略
 これら先人の苦労、努力、挑戦があったからこそ、現在の医療がある。それを忘れて、現在の医療が「当たり前」で、これ以上の挑戦は不要だというなら、専門委の驕りも甚だしい。そして、こんな人達が学会のトップにのさばっているとしたら、これ以上の医療の進歩は望めません。

 余談ですが。Wikipediaのエドワード・ジェンナーで、こんな記述を見付けました。

ジェンナーは1798年にこれを発表した。その後、種痘法はヨーロッパ中にひろまり1802年、イギリス議会より賞金が贈られたが医学界はこの名誉をなかなか認めなかった。

 新しいものを認めないのは、昔からの伝統なのかもしれません。

 では「医学の進歩の為なら、どんな実験的な医療も許されるか?」というと、それは違います。ここで、最初の声明に戻りましょう。

「実験的な医療が閉鎖的な環境で行われていたことは、厳しく非難されるべきだ」

 この声明自体は妥当だと思います。スタンダードで無い事を内密で行うのは、何かやましい事があるからだと思われても仕方ありません。ただ、事前に公表すると学会に妨害されて何も出来なくなる可能性はあります。せめて後から公開して十分な検証が出来るように、カルテやプロトコルの詳細な記録は必要でした。適用範囲を文章化し、院内の倫理委員会に意見を求めておく、賛同者を募っておく根回しもしてあると良かったでしょう。
 また今の時代、インフォームド・コンセントと説明にまつわる書類は必要です。紙だけのうわべの同意書よりも、医者に対する全幅の信頼の方が重要なのは言うまでもありませんが。訴訟時代の今だから、建前としての書類も必要なのです。
 そして一番重要なのは、医者の興味の為に患者に不利益をもたらすのは許されない、という事。患者さんの利益が最優先です。ただ、医者は神様ではありません。最初から何でも100%の成功率を求められても無理です。人間の限られた能力の中で、優先すべき物を見失わず、貫く姿勢が必要です。

 万波医師の場合、おそらく患者さんの為を思う気持ちばかりが強く、その他の配慮が足りなかったのでしょう。「結果が全て」という発想は、外科医の特徴かもしれません。

 病気腎移植に限らず、これから新しい医療に挑戦する人達には様々な配慮が求められるってことです。ただ、外科医として優れている人が、事務的・研究的・政治的な配慮にも優れているとは限りません。そこで倫理委員会が、是非を決めるだけでなく、積極的に外科医をサポートする体制をとれないものでしょうか。学会との折衝、患者との同意を取り持つ『コーディネーター』と機能しても良い。学会は、各地・各方面の知恵を集約し、評価した上で、標準化したものを再配分する。そうして活動してこそ、形骸化した学会の復権に繋がると思う。

 「誰に責任を取らせるかを決めるだけの倫理委員会」「禁止しかできない無能な学会」「肩書きの為だけの学会」は存在悪であり不要です。

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「牛乳=有害」??

asahi.com:ベストセラーの著者に牛乳業界が質問状 有害の根拠示せ - 暮らし:

 ベストセラー「病気にならない生き方」(サンマーク出版)で、著者の新谷弘実氏が「牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になる」などと書いていることに対し、日本酪農乳業協会がつくる学識者の団体が、新谷氏に「科学的根拠を示してほしい」との質問状を出した。
 「病気にならない生き方」は、内視鏡外科医として日米両国で活動する新谷氏が、自らの臨床経験から導き出したという健康法を説いた本で、130万部を超える。この中で新谷氏は「牛乳ほど消化の悪い食べものはない」「人間が食物とするにはふさわしくない」などと述べている。

 なんだか、とんでもない本が売れてるんですね。「牛乳=有害」なんて・・・人類の食の歴史を全否定するような意見じゃないですか。「あるある」や「ゲーム脳」もそうですが、少々奇抜な意見を持ち出した方が世間の注目を浴びるんでしょうか。

 質問状に対して新谷氏がどう返答してくるか注目です。医者ってのは、呪いやお祈りで治すわけではなく、科学者なんですから。是非とも「科学的根拠を示してほしい」と思います。頭ごなしに新谷氏がデタラメとは言いません。新しい発見は経験と発想から始まるものです。ひょっとしたら、世紀の大発見なのかもしれませんからね。
 例えば、最近の加工され過ぎの牛乳については、本当に健康に良いのか?私も謎です。低脂肪だったり、カルシウムを追加していたり、下痢しにくく加工されてる乳製品のことです。味も元の牛乳から遠ざかっているんじゃないでしょうか。私が思うのは、搾ったままの濃い牛乳を良く冷やしてそのまま飲むのが、一番美味しくて栄養も充実してそうですが。実際の所はどうなのか検証して欲しいです。(ただ、美味しさに客観的な評価は付け辛いですけどね・・・)

 私が健康法を説くとしたら、常々言ってるのは「純和食を腹八分」なんですが・・・平凡ですね。平凡すぎて、本を書いても売れないだろうなぁ。

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看護師不足 2病棟休止 東、緑市民病院

平成19年3月25日の中日新聞の夕刊に、こんな記事が載っていました。(以下は紙面より引用。中日新聞のネット上に同じ記事があったため、タイトルをリンクしました。ついでに、別のニュースサイトの記事はこちら。)

看護師不足 2病棟休止 東、緑市民病院 再開めど立たず

 名古屋市は、看護師の新規採用者が不足したため、四月一日から東市民病院(千種区)と緑市民病院(緑区)の各一病棟を休止する。市によると、看護師不足による市民病院の病棟休止は初めて。市は「看護師が手配でき次第、すぐ再開したい」としているが、めどは立っていない。
 休止するのは、東市民病院(四百九十八床)の主に循環器系・呼吸器系疾患の患者が入院している南四階病棟五十床と、緑市民病院(三百床)の外科系の患者が入っている5A病棟四十四床。
 東市民病院の場合、同病棟を三交代制で運営するのに必要な看護師二十四人に対し、一人しか配置できなかった。緑市民病院でも定員二十人に対し十五人が不足した。この二病棟に入院している患者計約七十人はほかの病棟に移り、担当の看護師も配置転換する。
 昨年四月の診療報酬改定に伴い、入院患者数に対する看護師数の多い方が病院収入も増えるような仕組みが導入された。これにより、全国の大学病院を中心に看講師を大量採用したことが原因と、市はみている。

 緑市民病院と言えば、この近所では中核となる病院です。当然、病診連携をしていて紹介先として一番多く、何かとお世話になっています。先代が開業前に外科部長を務め、当直の時には(その頃、私は小学生)遊びに行ったりもしました。最近では妻が第二児を産む時にお世話になるなど、個人的にも縁が深い病院です。
 そんな身近な病院でも看護婦不足になるなんて。しかも、欠員の程度が半端じゃない。ほとんど集まってないって事ですよね。元々看護婦不足は言われてる事ですが、個人病院/医院だけじゃなくて、勤務先としても信頼の置ける市民病院で起こるなんて異常事態です。
 原因は、ニュース記事の最後に書いてある通りです。「仕組みが導入された」って書いてますが、そんな自然発生的なニュアンスは間違っています。「仕組みを、厚生労働省が導入した」んです。看護婦が少ない処へ、取り合う仕組みを入れれば、足りなくなる所が出るのは理の当然。そんな見通しも立てられないほど厚労省の役人は浅はかなのか、それとも医療の将来なんて考えてないのか、国民の健康とかには無関心なのか・・・。

 今の医療制度は、件のごとく現場を知らない厚労省や財務省の思惑で勝手にどんどん書き換えられ、むしろ悪くなっています。小泉前総理がその昔に厚生大臣を務めた頃から顕著です。良くなる見込みは、残念ながらありません。悪くなる一方です。

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警報発令するなら、感染性腸炎よりも・・・インフルエンザ

 前回のエントリーで書いたように、11月は胃腸風邪(感染性腸炎)が猛威を振るっていました。11月の末には医師会から感染性腸炎の警報発令のFAXが来てました。
 今はニュースでほぼ連日ノロウイルスの猛威を伝えてますね。でもあれを「集団食中毒」と報道したり、どこかの料理屋が営業停止になったりするのは、マスコミも保健所も現場の調査不足/勉強不足じゃないのか?と思ったりします。ノロウイルスは教科書的には生ガキによると書かれているけれど、料理屋こそ注意してるポイントだろうし、料理が原因とはむしろ考えにくい。今年流行中のものは、人から人への伝染力がものすごく強い。汚物/吐物を片付けるだけで移ります。ご家庭や病院なんかでの集団発生はそのパターンだし、料理屋とかもウイルス持ったお客さんから広がったパターンもありそうです。ただ、病院職員/従業員が介在してる可能性は有るわけで、手洗いなどの教育が重要なのは間違いありません。
 ただ、症状はきつくても、比較的すぐに(2〜3日で)治ります。気管支炎とかが長引くのに比べると回復は早く、周囲への排菌も短期間で、流行の(ピークは高くても)期間は短いんじゃないかと思います。その証拠に、12月に入ってからの休日診療所の様子をキーボードのUからQまでに書いておきましたので読んでみて下さい。日曜日、幼稚園の帰りに待合室の様子を覗き見て、自分が担当した時とは大違い!
 12月に入ってからは、医師会からの感染性腸炎の警報発令のFAXと入れ違いに、普通の風邪(上気道炎というか、咽頭炎・気管支炎)が増えてきました。医師会のFAXは的外れじゃん! まだインフルエンザの患者は出ていませんが、年末頃になると風邪に混じってインフルエンザが出てくるんですよね。警報発令するなら、次に流行って来るインフルエンザの注意勧告を出す方が役に立つのにね。
 インフルエンザ予防接種を考えていたけどまだ打っていない人は、体調が悪くなければもう打たないと遅いです。せめて12月中の接種をお勧めします。(本当は、11月中がお薦め)
 年末から流行り始めるインフルエンザはA型で、いきなりの高熱が特徴です。インフルエンザの治療薬(タミフル)は、熱が出始めてから48時間以内に飲まないと効きません。ですので、不調を感じたらすぐに医療機関を受診して下さい。

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「バイアグラが欲しい」って言えばいいと思う

 今日の朝刊に、南区の男性が販売目的でバイアグラを貯蔵し薬事法違反で逮捕されたとの記事が載っていました。それによると、インターネットオークションでバイアグラを1年間で180人に売っていたらしい。
 そのインターネットオークションってどこだろう? ちなみに、Yahoo!オークションは出品禁止の物にあたると思います。他の真っ当なインターネットオークションでは扱えないと思うのですが。とにかく、それでも年間180人もの人が買いに来たわけで・・・需要はあるって事ですよね。
 実際のところ、夫婦が円満であるためには深刻な問題ですよ!EDって。(えっと、夫婦でない方との使用についてはコメントをいたしかねます・・・)
 若い時は「できなくなる」なんて、想像も出来ませんでしたが。自分も徐々に年齢が上がってきて、その日の体調に大きく左右されるのを実感しつつあります。そして、できない時の落胆って、かなり辛い。パートナーには理解してもらえないのも辛い。ましてや非難された日には、自信を失います。自信を失うと、仕事にも支障が出かねません。
 ただ、性的な話しなんで、日本ではまだ公に話すのはタブーな感じが残っているようです。病院で相談するのに躊躇して、それで人目を避けてインターネットオークションで購入するのでしょう。テレビCMで、しかも「ED」という言葉を作ってまで、気安く受診できるイメージを作ろうとしてるのに。タブー視されてきた影響力はそれ以上だった、と言う事でしょうか。もしくは、最初に書いたような事件がニュースになって、バイアグラの名前が悪い方向へ独り歩きしてしまっているのでしょうか。
 しかし、上記のように、男性が自信を持って生活していくには大切な事です。受付で「ED治療を希望して来ました」と言えばいいと思います。当院では、バイアグラ(50mg)を1錠1800円(税込)、10錠単位でお分けしています。初診・再診の値段も薬の値段に込みゞです。

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